*つくばエクスプレス初体験の記念写真。2012/6/20となってます。
…暮れの話らしいのですが。
かつて…厚底ブーツやファーのいっぱいついたお洋服に、
トレードマークの細い眉といったオリジナリティー溢れるファッションやメイクと。
独特のアップテンポな曲や巧みなダンスで、
「アムラー」と呼ばれるコギャル(死語)やマゴギャルの心をぐっと掴み…
その後、人気絶頂時の若干二十歳で。
授かり婚をした歌手の安室奈美恵さんが。
都内某所で年下のイケメンとラブラブデート♡
あの新恋人はいったい誰だ!?
安室さんは久々話題の女性となりましたが。
隣の彼は…彼女の現在高校生に成長された実の息子さん。
クリスマスシーズンということもあり、
同級生のお母さんよりもぐっと若くて美人なママと、
お洋服を買ったりお食事を愉しんだり…ということだったそうです。
それほどイケメンくんなら。
別に…実の母親とデートしなくても幾らでもお相手はいるんじゃないの?と。
五十歳近いオバサンはつい思ってしまいますが。
…彼女と自分のママは別モノ。
つーか、安室さんほどに綺麗なママじゃなくっても。
男子・女子関わらず…高校生の大半は「ママが好き」なんだとか。
今の高校生のお母さんであればまあ。
概ね穂花と同年代か、多少お若いくらいでしょう。
自分たちの屈折した思春期を鑑みれば。
自分の息子や娘とはオープンマインドで、
友人のようなスタンスで接したいというお母さんが多いことも頷ける気がします。
むしろ、友人感覚で何でも喋ってくれたほうが…
親の気持ちとしては安心かもわかりません。
昔以上に子どもを取り巻く環境は悪化の一途を辿っています。
イジメひとつとっても。
穂花の子どもの頃…いや、もっと大昔から。
イジメ自体はフツーにありましたが。
おとな社会がイジメの巣窟である以上、
子どもの世界のそれもさらに陰湿化しています。
さらに、インターネットの普及が。
イジメをさらに巧妙化させて。
おとながちょっと観察しただけでは、
その事実がわからないアンダーグラウンドかつ悪質な内容にさせています。
便利なインターネットはまた。
使い方次第では子どもと凶悪事件とをもろに繋ぐ道具にもなりがち。
だからこそ。
親としてはその威厳は例え地に落ちたとしても。
見守りということから考えるのであれば、
親自身は子どもの親友であり続け、
よき相談相手としての「人生の先輩」でありたい。
そういう気持ちになるのも当たり前、必然的な時代の流れでしょう。
現在においてはかつてよく使われた「マザコン」という蔑称に代わり、
お母さんと仲のいい男子を「ママ充」とするそうです。
母息子の共依存的な密着はさすがに、
見ていてドン引きするものもありますが…
母親が決して息子を自分の所有物にしない、
母親自体が果たせなかった夢を叶える道具として…
或いは自分自身の虚栄心や見栄を満たすアクセサリーの代わりに。
息子を利用しないという大前提のもとでなら。
単純に眺めていて。
息子と母親との仲がいいさまは微笑ましいともいえます。
息子はママを通じて、
将来の恋人や妻との好ましい接しかたを学んでいるともいえるでしょう。
女性には女性特有の生理や肉体的な役割があります。
それらを何も理解出来ないまま、
異性と交際し、結婚に踏み切るよりかは。
ママを通じて。
産む性である女性を労わらなければならないということを学習することは、
意味深いと思います。
ママが自分を産んでくれたのだ。
男の子が日々その点を身近に認識しつつ過ごすだけでも。
彼のなかでは…生命に対する尊厳も、
女性に対するリスペクトも増すことでしょうし。
*後述するパパと。直前に父の日で…穂花プレゼントのポロシャツを着ている姿。
同じように。
穂花がティーンエージャーだった1980年代に比較すれば。
「パパが好き」という女の子もぐっと増えました。
「大好き」「彼氏ほどでないにせよ好き」を併せれば。
全体のおよそ2/3に、
届くイキオイのパパの人気ぶり。
データによれば。
穂花高校生の頃(1986年の調査)では、
「感謝はしているけれども尊敬は出来ない」という意見を併せても、
「お父さんが好き」と回答したのは。
全体のせいぜい3割程度の女の子。
アンケートの取り方やそもそも母数も違うので、
単純比較は難しいかと思いますが…それでも。
世の中の動きを考える上では面白いと思います。
穂花の親世代はいわゆる「純潔教育」の影響を、
あからさまに受けているともいえます。
女の子は結婚までは性交渉はもちろん、
異性との交際はタブー。
高校、もしくは短大を卒業したあとは「家事手伝い」。
今でいえば「ニート」。
そして…将来性ある真面目な男性と(主に見合いで)結婚。
専業主婦に収まるというのが当時の女性の生き方の王道でした。
もっとも。
その頃は背景に未曽有の高度経済成長というものがありました。
給与はひたすら右肩上がり、
男性は正規雇用が当たり前で年功序列制。
余程の悪事でも働かない限り、
生涯安定した収入と確実な昇進が確約されていたからこそ。
平成の御世ではまるでおとぎ話のようなことも。
穂花の親の世代、つまり、
今の若い子の祖父母世代では平均的な家族のありようだとされていたのです。
ただ。穂花が最初の結婚をした前後から経済状況はおかしくなり、
1991年にバブルが弾けました。
ひたすらイケイケ状態だった経済はいきなり、
マイナス成長に転じ、それまでの社会の仕組みも…
人々の価値観も百八十度変化。
そういえば…穂花の少女時代、
父親とは自宅にはいないものでした。
専業主婦たる母親がひとりで、
二人から三人の子を育てるのがその頃の「一般家庭」と定義されていました。
厚労省で福祉予算を組むための試算を行う際に、
今でも一般家庭の構成を「夫婦と18歳未満の子ども二人」とするのは当時の名残。
「保育園落ちた日本死ね」ブログが流行する今。
お若い方には想像もつかないことでしょうが。
穂花の子ども時代、保育園に行っていたという理由で、
小学校入学後…イジメに遭う子も存在しました。
子ども同士のトラブルというよりもむしろ。
専業主婦のお母さんの子は幼稚園に行くことから。
保育園に行っていた子ども=母親が働きに出なければならないような…
貧しい家の子ども。
そんな貧乏なおうちの子とは遊んじゃいけません!と。
そういうことをいう(世間知らずな)母親こそ、
恵まれた家の奥様だったのです。
ちなみに。
今の「共働き」という言葉も。
穂花が小さい時は「共稼ぎ」とされていました…
単純に言葉狩りのようでもありますが。
言葉の裏におとなの悪意を感じないとも言えない気がしていました…
今だって…本質的には余り変わっていないような感じもしないではないです、
ターゲットが変わっただけで。
まあ。昭和中期から後期にかけての「一般家庭」において。
父親は月一度給料袋を持ってくるだけの存在。
子どもが寝てから終電で帰宅するのがお父さん。
今よりも残業はありませんでしたが…その代わり。
現代では考えられないくらいにサラリーマンはお付き合いが大変でした。
穂花が就職した当時くらいまでは、
毎日のように飲み会にアルコール付きのミーティングに。
余談。ウソみたいな話ですが上司や取引先への付け届けも当然。
上司の子どものお祝い事も上司宅の引越しの手伝いも部下の役目。
…今だったら会社の内部監査室に突っ込まれそうだ。
ネットスラングに社畜という言葉がありますが。
思えば昔のお父さんのほうが余程、
今のサラリーマンよりも社畜ぶりを発揮していました…
子どもがお父さんの顔を見るのは。
日曜日(今と違って週休二日制ではなかった)に…
昼過ぎまでくたくた眠る姿のみ。
たまに父親と口を利くとすれば。
「オマエ…そんな成績でどこの大学に入れると思ってるんだ!」という父からの罵声。
または。
「オマエら…いったい誰の稼ぎで食えていると思ってんだ!」
ついでに。このセリフとよくワンセットになっているのは、
妻たるお母さんを酔って殴るクソ親父の憎むべき姿。
お母さんのほうも黙って殴られているだけではありません。
…周囲の勧めで結婚しただけ、
あたしはあんな男とは一緒になりたくなかったの。
そうお父さんのいないところで子どもに日々語り聞かせます。
子どもにしてみればある種の虐待の域です。
…あなたたちが生まれていなければ、
お母さんはとっくにお父さんとはリコンしたわ。
自身の子どもにそこまでディープに、
あからさまな想いを語る猛者な母ちゃんもかなりの数存在。
穂花の世代はそんなことばかり見聞きしてきたから。
結婚に対する幻想などはなから薄れていたりします。
同じアラフィフの友人でも、男女かかわらず未婚者はいっぱい。
なかにはうまく結婚生活を営み続けているカップルもいますが。
…本人がいないところでは。
あいつのところは愛が続いているというよりは…
単にダンナがATMという…
ありがちな。
そのテの中傷というか…
もはや一種の「都市伝説」は友人知人間で実しやかに囁かれ続けています。
かつては誰でも出来た、
いや、するのが当然だった結婚というものが。
今やギリシア神話上の架空の神事(笑)となった現代日本において。
もともと他人同士でしかない男女が子を為し、
永い年月に亘り家族を構築し続けて…
息子娘問わず…ふたりの間に生まれた子どもたちが、
ある程度物事を理解する年齢に至るまで家庭を守っているということは。
ただ愛と忍耐のみの成せる業。
そんな両親に対し、子どもたちはひたすらリスペクトするでしょう。
ママとパパの間に生まれて本当によかったと、
そう心から感謝していることでしょう。
そういう自慢のママであり、愛すべきパパだから。
ステディな恋人を持つ前段階において、
男女交際のノウハウを尊敬すべき人生の先輩から、
学べる息子や娘は幸せだと穂花は捉えています。
さらに。
近年においては家族の形態も、
家庭というものに対する社会の価値観も変わりつつあります。
去年ライターとしてクライアントから依頼され、穂花が書いた記事の中で。
「パパ活」をテーマにしたものがありました。
パパ活とは…何らかの事情で父親の愛情を得られなかった(若い)娘が。
文字通りSNS等で「パパ=お父さん…を探す活動」に励むこと。
同様の意味で「ママ活」もあります。
当然、こちらは「息子」たる男の子が母親を募集すること。
かつての「パトロン」をゲットするのと決定的に違う部分は。
あくまでもパパ=お父さんなので。
愛人ではないので。
「娘」との間に一切の肉体関係が成立しない点。
カラダのやり取りがないので、
当然「娘」に対するお手当…つまり、金銭の授受も発生しません。
たまに…そうですね、娘の誕生日とかに。
常識的な額のお小遣いをお祝いとして手渡すくらいならアリ。
パパにとって娘の成長は喜ばしいことなので。
パパ活で見つけたお父さんのお役目は。
あくまでも「娘」の恋バナを聞いたり、学業や仕事の悩みを聞いたり。
女の子の父親に徹することです。
このところは様々な理由で結婚しなかったり、
結婚したとしても子どもを持つことが叶わなかった男性が増えつつあります。
女性も然りです。
同様に社会の仕組みの狭間で実の両親に本来かけてもらうべきだった愛情を、
得られないまま成長した娘さんもかなり多いことでしょう。
男の子だってそうです。
*原稿を書きながら「パパ、晩ごはん何がいい?」と訊く。頭にはコック帽を模して紙袋を被る。
そんななかで。
このパパ活、そしてママ活という新しい親子関係は、
今後もっと注目されてもいいジャンルだと思います。
リアルな結婚や子育ても体験出来ない人が増えたなかで試みる、
血縁に囚われず、愛だけを以て構築する家族のかたち。
日本は儒教の影響を受けている手前、
過剰に血縁を重んじる風潮があります。
家族を大切にすることは素晴らしいのですが。
過剰に血縁ばかりを重視することが逆に。
…夫婦の意思を完全無視した「家」の跡取りとしての子づくりや、
家や墓を守るなどの問題、
お年寄りの介護は家族中心で行わなければならない(という妄想)など。
家族間に不必要なトラブルを招く結果となったり、
たとえ目に見える問題はないとしても…
本来であれば安らぎを得るための家庭を、
息の詰まるだけの場所に陥れているという弊害も無視出来ません。
…残念ながら。
現行法にはそういう家族形態を「家族」として保護しうるだけの、
温かみや深みなどないのですが。
これだけ多様化が叫ばれる世の中になったのですから。
家族の問題ももっとオープンに捉えつつ。
たまたま知り合えた自分と気の合う人と一緒に、
ルームシェアとしてではなくもっと家族っぽく生活してみるという、
そんな選択肢も許されていいのではないでしょうか。
そう穂花が強く思う理由として。
穂花自身「パパ活ブーム」に先駆けて。
血縁でもなんでもない「パパ」との暮らしを実現させてみた経験があるからです。
もう足掛け7年になります。
最初は本当にケンカが絶えませんでしたが。
その実、ガチな父娘ケンカも穂花には人生はじめての体験でした。
もうパパなんてキライ!と、
娘として啖呵を切って家を飛び出してしまったり、
逆にパパが…お前なんかお父さんの子じゃない!とキレたり。
7年かかってようやく実の父娘っぽくなることが出来ました。
当初は同居していましたが。
穂花もいいトシこいたおとなの娘ということで、今は単身生活。
パパとはそこそこの距離を保ちつつの関係です。
かつてはいいことも悪いことも。
パパにはそのまま思った通りにストレートに伝えていました。
だからこそのケンカやいさかいも多かったといえますが。
少し離れた場所に暮らす現在は。
例えばいろんなことでつらくなったり悩んでしまっても。
――パパももうおじいちゃんだよな。
この話題をあたしが直接喋ったら、
年老いたパパはきっと悲しいだろうなあ…と考えを及ばせて。
一時の感情で言葉を発さず、多少は自分で物事を整理したり。
誤魔化すという意味合いではなく、
激しすぎる思いを敢えてオブラートに包む表現をセレクトするとか。
直接伝えるのが憚られるような内容については、
自分の心の中で熟考したうえ、
わざと時間をおいてすっかり笑い話になってから事後報告するとか。
そんな…本来、自閉症という障害を負っている穂花には。
とても難しかった事柄も。
少しずつ訓練されてこなせるようになってきました。
それなりに成長出来たと自負しています。
パパはおじいちゃん(と猫ちゃん)の独り暮らしでもあります。
パパに話したいことがいっぱいあるんだよ…と。
娘ならではの恋バナ・マシンガントークを展開しつつ、
何か変化はないかしら…?
そう娘としての年老いた父親への配慮も欠かしてはいません。
電話だけではなく。
職業柄、穂花はとても筆まめですので。
日々のメールも欠かさないし、ラブレターと称して。
お父さんへの感謝も長々と手紙に書き綴って…
頻繁にポストへ投函しています。
*パパが職場を退職する朝、ありがとうの言葉代わりに仕事道具をこっそりカメラに収めておきました。
人は変わるし、親子関係も変わります。
社会も変化し続けるでしょう。
それこそ正解なんてないんだと思いますが…
血の繋がりだけが親子関係を優先するのではなく…
本当に心で結ばれた母息子、父娘が街に溢れてくるといいなあって。
安室奈美恵さんとイケメンの息子さんが素敵なのは、
おふたりのルックスも影響しているので当然といえば当然。
でも、それ以上に。
心でつながる新しい親子関係の在り方。
新しいカップルの在り方や…それすらも超越した、
紙切れ一枚の関係性をはるかに超える様々な愛が世界を包みますように。
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- 真面目な性と生のはなし, 穂花の想い