――頑張れば必ずいいことがある、
努力はいつか実を結ぶ。
小学校の道徳の時間に…
そんなことばかり穂花は信じ込まされてきたよ。
以来、
何一つ幸せでない自分は努力が足りないのだと…
さらに空回りして苦しんで、
最後にボロボロになった自分だけが残っていた。
それを社会はゴミだと評した。
滑稽だけどさ…
苦しむことが生きている証拠だとされて、
さらに苦しみ続けて死んでいく。
――努力と同じくらい胡散臭い言葉は「愛」。
穂花はそう子どもの時から思ってる。
愛って響きがキレイなだけにまやかしの言葉みたく感じてる。
おそらく「真実の愛」なんて出鱈目でチンケでクソみたいだ。
ほぼ確信してる穂花がいる。
だけどね…
一部の人にとっては愛というまやかしがないとさ…
痛くて苦しくて生きてさえいけないから、
都合よく愛という名の目隠しでこき使われ、
さらに身を粉にして苦しむのが社会の営みであり人間の営み。
*新宿西口のオブジェ。この時期記念写真を撮ってるカップルがいっぱい
だけど…
それじゃ生きていくのが辛すぎて自殺者が増え、
経済活動自体がストップしかねず、
国益に影響するから←自殺がいけないとされる本当の理由はこれだと思う。
誰もわかり得ない個々の傷みや苦しみを、
思い想像を働かせて触れ合おうと試みることを…
人間は愛と言い換える。
もしそれで社会がうまく循環するのなら。
愛もそれに付随する「努力」もアリなんだね、
例えそれが実質的に苦しみでしかなくっても…
きっと必要悪だね。