――生きる意味を考えて。
今夜も穂花は泣いてやり過ごしてるよ。
他人の心って、
そして…そこから派生する社会的通念って。
穂花にはとてつもない高い壁みたいに思えるよ。
誰だって…
そのじつ口先では何とでもいう連中だよ。
――穂花には言葉の裏が理解出来ないんだよ、
その言葉の真意はいったいどこにあるの??
全ての人の心は、
穂花にとってはまるで壁みたいに見える。
車椅子に座ってる状態じゃ手を伸ばしても届かないよな、
それとも…穂花がバカだから??
目の前にあるのは自身には越えられないくらい高い壁。
でもね。
恐らく壁は越えるためにあるんだ、きっと。
それくらいに受け止める穂花になるよ、
なりたいんだよ。
もうさんざん苦しかった穂花なんだよ。
これ以上普通にはなれない自分を責めないよ、
そもそも…「普通」って概念の真意はどこに?
――さらに突き詰めれば。
究極の壁は穂花自身の心かもしれないよね、
本当は。
今はわかんない、恐らくこの先もわかんないままだろう。
だけど…やっぱり、
壁は越えるためにあるんだよ。
今のところ穂花はそう信じとく、とりあえず。
…おやすみなさい。