本日は「成人の日」。
新成人となられた皆様、おめでとうございます。

若い方は本当に社会の希望だと…
そう私は思っています。

単純に若い、っていうだけで未来があるじゃないですか。
未来に向けて変わり得る可能性という名の希望があるじゃないですか。

もうそれだけでいいんじゃないかと。
このトシになると真面で実感することしきりです。

若い皆さんはその存在だけで希望です。
だからこそ…決して自分を粗末にはしないでください。

現在は本当に不確かな社会情勢です。

見せかけだけの「自由」に若い皆さんの心は翻弄され続けてきました。

自由だ、個性重視だと口先だけの綺麗事を語る大多数のおとなは、
しかし若い皆さんを椅子取りゲームに駆り立てていきました。

数が限られたその椅子は。

――それに座らなければ…

一生安泰な収入が得られる職も結婚も…
出産や子育ても…そして不安のない老後もオマエには保障されないんだよ。

座れなかった時点でゲームオーバー。
オマエはその時点で底辺確定。

もう普通の「社会」には戻れない、参加が認められないんだよ…

そんな根拠もない不安を。
無責任にも真っ白で汚れていない皆さんの心にインプリンティングし。

真っ当な社会人になりたいのであれば、
誰のことも信用してはならない、頼ってはいけない。
すべての事象は「自己責任」だと。

そう若い皆さんの心につけこんではひたすら不穏にさせました。

現代の日本において。
確かに一旦「一般的な社会人として自立する」ためのレールから外れれば。
リベンジが難しいことは事実です。

しかしながら。
万が一ドロップアウトしてしまった場合に。
再起するためにこそ社会保障や法律は存在しているのです。

なんだかんだいっても日本は福祉国家であり法治国家です。

もしも転んでしまったとしても。
生きている以上それで終わってしまったわけじゃない、
そう思ってください。

思えないとしてもイメージトレーニングしましょう…
「今生きている以上終わってはいない」。

死んだらそれで終わりです。
口惜しい、悲しいと思えるのも生きているからこそです。
同様に…生きているからこそ幸せも享受できるのです。

今でこそ幸せの恩恵にありつけていないとしても。
生きていれば可能性はあるのです、死んだらおしまいです。

しかし。
うまくいかない自分の人生について単に社会を恨んで復讐してはいけません。

仮にうまくいかなくなった時には、
あなたを無碍にした社会を利用し活用しまくって…
もう一度やり直せばいいのです。

恨むよりも自分の未来のために世の中を活用しましょう。
チャンスならあるのです。

インターネットという文明の利器は。
時に間違った情報があるにせよ…かなりのヒントを、
私たちに対し瞬時に提示してくれます。

その中の使えそうな情報を活かし、
福祉の制度でも補助でも支援でも何でも使えるものは活用して…
あなたが生まれてよかったと思える人生を再構築してください。

他人によく思われるために、もしくは他人に批判非難されるために、
人間は生まれてくるのではありません。

誰しも本来幸せになるために生まれたのです。

ただ…社会が都合よくあなたを黙らせるために。
あなたのなかに巣食うように変な不安を煽ったのです。

だから…ときに希望も霞んで見えてしまいがちだけど。

若いだけでやり直せることは本当にいっぱいあります。
ウソじゃないから。
…五十年近く生きてきた私が思うんだからマジだよ。

投げ出してはいけない、自分から死を望んではいけない。
苦しい時には苦しいと言える力こそがおとなになったあなたに私が一番望むこと。

誰のことも信用せず、
助けも求めず黙って朽ち果てるなんて…
カッコいいようで実は最もヘタレな選択なんだからね。

それこそ何でも「自己責任」だと思うのであれば。

もうどうしようもなく心が折れて疲れ切ってしまったら…
自己責任としてきちんとSOSを出そう。
SOSを出せる力をおとなの責任として日々培おう。
力って突如には出せなかったりするものだから。

本当なそれほど世知辛いわけではない。
あなたの訴えを真摯に受け止めるおとなは幾らでもいます。
それだけは憶えていて。

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自分自身がずっと声を挙げられず…ガマンしてガマンして。
今はボロボロになっている私からのこれが心からの餞の言葉です。

あなたの代わりはあなた自身にしかできません。
あなたご自身を決して粗末にはしないでください。

前田 穂花