二十一世紀を迎えて以降。
6月8日…プロのメンヘラを自称する穂花には何ともいえない、
重たい一日になり続けてる。
この日。
穂花が三十代の時に、重た過ぎる出来事がふたつも起きた。
2001年の今日、大阪教育大学付属池田小学校で、
八人の子どもたちに死の刃が落ち。
十五人が重軽傷を負ったあの宅間守の事件。
死刑判決後、異例の一年という速さで刑が執行された彼と…
穂花は実は同じ「パーソナリティ(人格)障害」の診断が下っている。
刑の執行の瞬間、死に至るその時まで、
自らの凶行に対する謝罪の言葉は一つもなかったとされる彼。
いろんな意味で心が痛くなる。
偶然の一致だとすれば余りにも悲しい話として、
2008年、つまり十年前のきょう秋葉原の通り魔事件が起きた。
犯人・加藤智大による凶行によって、
七人の方が犠牲となり、十人が重軽傷を負われ…
日曜日のアキバの平和な歩行者天国を瞬時に阿鼻叫喚の地獄へと変えた。
秋葉原の事件については…穂花の知人の子どもさんの友人が巻き込まれた。
「知人の子どもの同級生」自身との妙な関係性といわれればそうだけど…
未来あるお若い方が凶刃に生命を落とされた衝撃は今でも記憶に生々しく残る。
加藤智大死刑囚は現在、拘置所で何を想っているんだろう。
彼がこれまで生きてきた時間のなかで。
心から幸せだと思えた瞬間、
周囲から受け容れられていた実感って…記憶にひとつでもあるんだろうか。
事件に巻き込まれ、凶刃に生命を落とされた被害者の方と、
その周辺の人々、ショッキングなニュースを観て心を傷めた多くの方々。
穂花も心がずっと痛い。
今は鬼籍に入った宅間守(元)死刑囚、
世の中を恨み続けたと報道された加藤智大死刑囚に…
この社会における居場所はなかったんだろうな。
穂花もそのじつ本当の「居場所」ってない自分だと思い続けている。
――いつも多くの人に囲まれて、バカを演じている。
穂花ちゃんは友達も多いし、毎日楽しそうで羨ましいといつも言われている。
だけど…言わないだけで心に闇を潜めている自分に気づいているんだ。
孤独を語ること自体、今の日本では「負け組」だとされる。
負け組認定を受けると、もう恐らくリベンジできないよ。
そう恐れているのは穂花だけなのかな。
毎日自問自答すると同時に。
今日6月8日は…
自分の心のなかに生きている宅間守と、
心に潜み続ける加藤智大に話しかけ、
生きる上での苦しさ、やりきれなさへの問いを投げかけることこそが。
事件によっていのちを失い、傷つけられた被害者の皆様と、
痛々しい多くの報道に心を傷めたたくさんの皆さんへと。
そして…宅間守や加藤智大死刑囚への立場にいつかシフトしてしまいかねない、
弱い自分自身への。
穂花なりの贖いです。