スーパーポジティブ!をウリにしてる穂花だけど、
これって…単に虚勢を張ってるだけだから。

本当はものすごいヘタレだから。
ヘタレゆえに弱さを晒したらそこですべて終了すると信じてるビビりだから。

だから強がって無理して笑ってる、いつも。

そのじつ。
一晩中検索エンジンで…
「五十代 生きるのがつらい 死にたい」だの「障害者 楽になりたい」だの…

ググってる人は、はい!ここにいるよ(笑えない)。

…特に最近ルーチン化してる。

こんな自分が許せなくてまた穂花は凹む。

そして自分が許せないから生きるのが余計にしんどくてつらくて。
また死にたくてたまらなくなって、検索エンジンで…(以下略)。

ひたすら不毛な無限ループ。

昨夜も実はずっとひとりで泣いていた。
理由は端折るけれども生きるのがつらい、人生って罰ゲームだよね。
そうとしか思えない。

生まれた時からひたすら無理ゲー、リセットすらできない、あり得ない。

胸の奥で黒いものが渦巻いてる体感があるよ、
すっごく苦しくてトイレで吐いてしまいたいけど吐けないこのもどかしさ。

でも…ふっと思ったんだよ、泣きながら。

…あたしってもはや失うものもなければ守るものもないじゃん。
これって…実は最強じゃん。

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しばらく前、ネットで「無敵の人」という言葉が溢れました。
無敵の人=「犯罪予備軍」という見做しも強かったことを記憶しています。

現実の話として「無敵の人」つまりどこにも支援を求められない人、
誰にも繋がることができなかった人が追い詰められまくった結果、
凶悪犯罪を犯した事例は今年だけでも次々に起こりました。

そのたびに私たちは犠牲者の無念に心を傷め、
自身の不満だけでなんの落ち度のなかった方々を殺傷した犯人を憎み、
そんな「危険な」人物を事実上「放置していた」関係者や行政を、
ただ侮蔑しがちでした。

犯人を許す想いはありません。
いかなる理由があっても他人の生命を奪ってはいけないからです。

他人には他人の人生があり、自らの手で終了させる権利は一切ないからです。

ただ。
無敵の人の犯した犯罪のむごさをニュースで見聞きするたび。

自身も「無敵」な穂花は、決して他人事だと思えなかったのと同時に、
うまく言えないけれども余計に希死念慮が募って死にたくなりました。

そんなふうに…決していい意味合いではなかった私の中の「無敵」という言葉。

だけどね。昨夜ふっと気づいたんだよね。

…あたしには家族がない、配偶者も子もない。今のところステディな彼氏もない。

子どもの時から自他共に認める人嫌いだから、親しい友達もいない。

独りで充分楽しめる強さや、
その場に集まったみんなでワーッと盛り上がれる程度の、
最低限の協調性くらいはあるけど。

カネもない。財産もないし貯金もないし、おいしい仕事もない。
名誉もない。人生において何の実績も重ねてない…

なんにもないからこそ…未来に対する心配もない。
人生の上での大切なものを失う不安自体がもはやあたしにはない。

めちゃくちゃラクチンじゃん!

ただここにあるのはまっさらな自分だけ。
そう思えたら…穂花は妙に生きていけそうな気がしたんだよ。

これが本当の「無敵」な状態です。

全てを失った「無敵」な状況が愉しめるかどうか。
カギはそこにあるでしょう。

寂しいと思うのか、自由でラクだと思い切れるのか。

幸い穂花は後者でした。

無敵の人状態=ひとりぼっちで孤独な時間を、
自分のやりたいことのためにつぎ込んでみせます。

アラフィフのひとり暮らしはめちゃくちゃミニマムです。
断捨離を兼ねて趣味で買い集めた和服など衣装その他もほぼ処分しました。

もとより自身が「片付けられない女」で悩んでいた穂花だから…
荷物が減ってお片付けもできるようになって、その分の悩みも併せて断捨離。

東京都下在住の穂花ですが。
五十代女性のひとり暮らし、贅沢しなければ月10万円で生きられます。

ひたすら自炊してるけれどね。

友達いないから交際費もたいして不要。
それが寂しいとも思っていません、群れるだけが仲よしでもないから。

月15万円もあればそこそこ楽しいよ、趣味にお金を使うこともできる。
ボイトレやったりピアノ弾いたり、好きなことがある程度までは楽しめるよ。

10万円であれば…例えば東京都では家賃の分込みで生活保護費で保障されています。
穂花の場合、原稿を(真面目に)書けば一ヶ月でそのくらいは得られます。

だから…あくまで穂花自身の話ではあるけれども。

できることは自分でがんばる、自分の力で稼いで暮らすというスタンスにしていて。
それが自分を信じる力にも変わるから、一石二鳥、三鳥だよ。

ファーストファッションの服ならほぼ毎月、お小遣いの範囲内で買えるよ。
それで充分じゃない。

ついでに。
今は家族もないから…育児や介護といった問題とも無縁だし。
オトコもいない(たぶん…)ので、彼氏との切ない関係性に苦しむこともない。

あたしを苦しめるものも悩ませるものも…人やモノに執着する苦しみも。
もう何もないじゃない。

本当にほんとうに自由になれたじゃない。

…そう思えた時に。
このひとりぼっちな状況が大したことないって思えたんだよね。
そう思えたことがあたしにとっての本当の「無敵」かな。

前田 穂花